ソープで働き始めたきっかけ その3
「彼氏をどうしても紹介したい。」
「絶対5000円しかかからないからホストクラブに一緒に来てほしい。」
と言って結果25000円取られた私。
それは私も訳もわからずいいよ、と言ってしまったので仕方ないとしても、
その1週間後も美礼は私に25000円を請求してきた(°▽°)
「この前の25000円なくしたから、もっかい25000円ほしいんだけど。」
と。
意味がわからなかった。
理由は忘れたけど、家にはテレビもなにもなく、本当にお金に困ってるし、あの日私が手渡した25000円を実はあの後なくしていて、
あの日の会計は売掛にしたから、払えなくて困ってるってことだった。
ちょー意味不明だった。
でも私の25000円の行方の証拠もなかった(°▽°)
…にしても、私だってキャバクラで働き始めたばかりの普通の大学生で、お金がない時期に
行きたくないホストに連れてかれ、25000円。
そこでさらに、訳のわからない25000円を取られると辛かったので、それは払わなかった、というか払う余裕がなく、さすがに「払ったのになんで?どこでなくしたの?」とちゃんと私にしてはめずらしくはっきり言えた。
その時の私は、
親の反対を押し切って、大学の寮を出たばかり。
寮に住んでいてほしい、という親の反対を押し切って、
「一人暮らししたい!もう寮にいたくない!自分で家賃はなんとかする!」と言って、
荻窪の駅から徒歩20分の、築30年、トイレ風呂共同のボロアパートに住んでいた。
窓はアルミサッシではなく、木の枠で、風が吹くたびに隙間風が入ってきてガタガタうるさいし、鍵はねじるやつで、網戸は網が貼ってあるため開けられない。
お湯はでなくて水のみ。エアコンもなく扇風機だけ。冬はこたつ。
アパートの中にコインシャワーが3分100円で使えたのは便利だったけど、よく200円とか途中でシャワーが切れて、髪に泡のついたまま、隣の部屋の人に100円を借りた。
でも、昭和って感じで気に入ってた。
夏はあまりの暑さに部屋の鍵を閉めずにドアを開けっ放しにしていたら、
目の前の部屋の人が自腹でクーラーをつけたらしく、
部屋に招待してご飯をおごってくれることもあった。
ちなみに家賃25000円で、女子しかいないボロアパートです。
そんなこんなで美礼にはその後何度かお金を貸して欲しいとも言われたけど貸さなかったし、もちろん誘われてもホストも行かなかった。
それ以降、
私のことを嫌っていたキャバ嬢たちの標的は美礼になった。
お店のマネージャーが、美礼とは話すなと言って、自分のお気に入りの女の子と帰るようにと私に指示。問題が起こらないようにお店ががっちりガードしてくれた。
美礼のその後は、
ある日階段から落ちたとかなんとか言って、お店を休むと言いだしたらしい。そんな当日欠勤が多くなっていたはしくて、
マネージャーが「絶対今日は来い!」と言ったら、
腕は、指から肘まで包帯ぐるぐる巻きで、
顔にガーゼを大きく、テープで貼った状態でお店に現れた。
なにがあったらそんな怪我するの?ってかっこだったけど、笑いながら、「階段から落ちて…」と言ってた。
怪我は明らかに嘘で、たぶん、仮病だったんだけど、
マネージャーが美礼の嘘にムカついて無理やり出勤させたので、
美礼も対抗して包帯ぐるぐる巻いてこれみよがしに出勤したのだと思う。
そしたらそれにムカついたマネージャーが、「帰っていいよ」とも言わず、
そんな包帯ぐるぐる巻きの美礼を色んなお客さんの席につかせて接客させていた。
お客さんはみんな、嫌がっていた。
そりゃそうだ。お金払って飲みにきて、
包帯ぐるぐる巻きの、顔にはガーゼを大きく貼ってる女の子が出てきたら、嫌になると、思う。
「なにあの女?」とみんな文句を言っていたけど、美礼はそんな姿でも元気よく「階段から落ちたんですよ」から始まって、嘘ばかりしゃべっていた。
人生で初めてあんなに平気で嘘をペラペラ話せる人を見たかもしれない衝撃だった。
はっきり言って
この女の子がソープで働き始めたきっかけにつながるのではあるけど、それは自分の責任。
でも、この数日後、美礼はお店をやめたので、連絡先もしらない。マネージャーが言うには、給料をもらって飛ぶ気だったんだということ。
そして連絡先は知らないけど、
この3年後くらいに吉原の路上でばったり美礼に会った。
美礼もあの数年後ソープに!
そして、またその更に2年後にも吉原でばったりあった。
なので、そのあとお互い何年もソープにいたってことはわかってる。
美礼はいなくなっても、
私はクラブRの新人ホストたちの電話攻撃には続いた。
一瞬一回会っただけの人から電話がかかってきたところで、私は特に話すこともない。
向こうは「おはよ」とか「今から仕事?」とかほぼ無言。
向こうも私と話すことがないんだろうなぁ、と思いつつ、
無視すればよかったけど、どう対応していいかもわからず、
とりあえず「おはよ」と言って切ってた。
次第に1人、2人、3人と電話がかかってこなくなって安心したけど、
そのうちの2人が毎日朝晩1ヶ月間電話をし続けてきた。
1人は唯一ランキングに入っているまあまあ売れているホストで、
もう1人はトイレ掃除している全く売れないホスト。
もちろん1ヶ月間お店に行くこともなかったのに…
今思うと、1ヶ月も来ないのによく電話し続けられるなぁ、と思う。
1ヶ月も経った頃、たまたまある日、2人に同じ相談をしてみた…
(つづく…)
追伸
巷で話題のうけるTシャツ絶賛発売中 !